忘れないうちに今回の公演を振り返りたいと思います。
そもそも名作劇場のような感じで過去の作品を三本くらいやり
音楽ライブとトークをやる公演のはずが
新作三本と「帰郷」のゾンビ公演になっちゃいました。
稽古場も一週間しか押さえてなかったんで
ひさしぶりに家で稽古というか、、
作品の構成を考える為に、デジカメ使ってネタを撮影したりしました。
ゾンビものだけを一人芝居で何本もやるのは、
物凄く難しいし
覚悟がいります。
来年とかになったら、やらないんじゃないかと思って決心した訳ですが
まぁ、、思ってたより遥かに苦労しました。
ただ、苦労したか甲斐もあったんじゃないかと。
「映研のゾンビ」
学校を舞台にした短編をストックしてて
本当は、それをやるつもりだったけど
テイストが「帰郷」に似てるし、、と考え直して、得意の映研ものに変えました。
ラストシーンが浮かんで、
それに向かって書きすすめたものの
場面構成がうまくいかず、一度はボツにしかけたんですが
稽古初日に観た前田さんからの
「景色が見えた」というメールで、書き直そうと決心しました。
先生のキヤラクター設定を変えたら、あのかたちに辿り着けました。
この何でもない話を
いかに景色が浮かぶ映像的な作品にするかに力を注ぎました。
考えてみたら「青春もの」みたいのは、一人芝居じゃ初めてですね。、、あったけ?
ただ、テンポは良いけど、
本当は、もっと、じっくりと描けば良かったかなと。
これは、創り直したいです。
「ライフ・オブ・ザ・リビングデッドS」
第一稿と全然違います。
最初のは、セリフなしで
字幕だけの一人芝居をやろうとしてました。
試しにやったら削りに削っても30分を軽く超えてて、そのスタイルは断念しました。
もっと哀しい話だったし、バンドの話もありませんでした。
バンドの話にしてからは、
とにかく
ラストで
ゾンビの女の子がドラム叩いてる姿を、想像してもらえれば
それで良いと思って創りました。
話としては、これも又
特に大きなことが起こるわけでない
何でもない話なんで
音楽とムードを大切にしました。
ドリーミーな曲と字幕だけの感じとか。
ただ、これは、
他の公演でやった方が色々と良い気がします。
この作品が一番好きな人もけっこういたんで、きちんと創り直してみたいです。
バンドやったことのある人、音楽好きな人と
音楽、、ROCK聴かない人では、感じ方が全然違うとも思いました。
「月夜のゾンビ」
本当に一番時間をかけた作品で
「マイグレイテストヒッツ」の時からなんで
完成に
二年近くかかりました。
過去二度の挫折に続いて三回目の挫折になりそうでした。
もう、いっそ予告編のままで良いのではないかとも思った時もありました。
ある夜
決心して
思いきって予告編のことは、忘れて
登場人物を変えて自分のやりたい場面やラストでかける音楽を変えてみて、あの作品になりました。
一人一役でオーソドックスなゾンビものを、やっと完成出来たのが嬉しかったです。
細かい直しは、必要ですが磨いていけば、もっと面白くなると思います。
ラストは、自分も好きです。
そもそも、何気なく考えた
「月夜のゾンビ」というタイトルが、きちんと意味のあるものになるとは思いもしませんでした。
「ピアニカ前田ミニライブ」
もう言うことないです。絶対はまると思ってたんで、、本番中も袖で聴いてて
前田さんに出てもらえて良かったと心の底からおもいました。
「夏の思い出」
この夏に思ったことを前田さんの切ないフレーズに乗せて叫んだんですが
「政治主張はやめろ!安っぽくなる」というツイートを見かけて
夏の間に世の中に対して思ったことを声に出しただけで
そんなこと言われるのかと驚きました
あと政治のこと言うのが、安っぽいという意味が、俺には、わかりませんでした。
「考え方が違うと嫌な気持ちになる人もいるかもしれないし。エンタメには不必要」
みたいのも見かけて
入江雅人グレート一人芝居って、、
芝居もやるけど毒も吐くし世の中に怒るし
入江雅人の想いみたいなので出来てるんで
「500」とか「いつか見た青い空」
あんなもんじゃないし、、、いつも通りなんですけどね。
普通の一人芝居じゃなくて
自分の想いとか色んなもんを作品にぶちこんで創ってるし
舞台上は、俺一人しかいないわけなので
入江雅人に合う,合わないは全然あると思います。
しかし
昔よりも、死ぬ気でやっているせいなのか?
喜んでくれた人の方が、遥かに多いのに
そおいうの見かけると、ガクーンとなるんです。
一人芝居は、何よりモチベーションが大事で
観てくれた人の感想って、凄い励みになるんです。
本当、批判するなら、気合い入れて批判してくれれば
考えるし参考になるし
ありがたいです。逆に。
で
「いい話ばっかで 俺も眠くなった 笑いが足りない」
みたいなのも、、(「政治主張するなと同じ方なんですが)
ゾンビ公演とはいえ
もっと笑えるゾンビものだったら良かったのだろうか?
ただ
「映研のゾンビ」以外の三本は、きちんと観てくれたら
全然 いい話じゃないし、、
笑いより心に残るものも見つけられたと思うんだけど。
とにかく
ガンガン俺のやりたいことやっていこう!と思いました。
だいたい見つけなきゃいいんですよ!俺が!
いちいち、そんなツイートを!
そして、気にしなきゃいいのは、わかってる。
ツイートした人 そんなことツイートしたことすら
たぶん忘れてるし
でも
ツイッターやってると、つい見ちゃうから、反応が気になって、、
だから、時々やめようかとも思います、、やめないけど。
チラシでもツイッターでも言ってたし、
今回の公演で やりたいことは
観てもらえば
わかってもらえると思ってたんですけど、
なんというか
絶対的な、わかりあえなさみたいなものに出会うと無力感に襲われるんです。
一人で何もかも、やってるから 特に。
ただ
一人でも多くの人に観て欲しいし。わかるやつだけわかれば良いとか思いません。
今回のアンケートで
息子さんに連れてこられた
舞台とかあまり観ない75才の方が、
とても楽しかったと書いてくれてて
あんなゾンビだらけの芝居を
年配の方が楽しんで貰えたことは、とても嬉しかったです。
俺の一人芝居は、観る人の感性や想像力に委ねる部分が大きいと思います。
その人の頭の中で完成する映画だと言ってる友人のツイート見て
なるほどと思ったし
自分で補完して完成すると言ってた人もいました。
自分が育った故郷だったり
人それぞれだけど
色んな景色を思い浮かべてる人もいれば、
何にも浮かばないで退屈する人もいるわけです。
前回から、そういうことを色々考えたけど、、、
俺の力で、どうしようもないことは、もう気にしない!
とにかく全身全霊込めて、やるだけ!
そんで
精進して
圧倒的なもんを創っていこうと思います。
そして
自分を信じられなくなったり、自分が楽しめなくなったら、その時は、やめようと思います。
「帰郷」
そもそも、これを夏の終わりにやりたいというから始まったんで
やれて、良かったです。
導入部は、少し変えました。
前は、「ゾンビ」と言わず
シャララの「ドナサマーナイト」の時に思いついた
「ウォーカー」という言葉を使ったんですが
「ウォーキングデッド」で「ウォーカー」という言葉が使われてるのを見てやめました。
「俺の方が早かったのに、、」とか
俺の考えたのは、本当にただ歩くだけのゾンビだったんで
「全然ウォーカーじゃないじゃん」とか思ったけど
ゾンビという方が、色々とわかりやすいんで、そうしました。
そんで
「帰郷」は、いつか福岡でやりたかです。
来年、この企画をやるとしたら
ラインナップも変えるかもしれないし、作品の順番も変わると思うんですが
「帰郷」はラストですね。それは、変わりません。
今回、夏のセンチメンタルなゾンビをめぐる話をやるということにこだわりました。
四本そおいうテイストが並ぶのは、自分でもどうか?と思ったんですが
番外公演だし、いつも、やらないことを、やろうと決めたんで全く悔いは、ありません。
自分でも大好きな公演になりました。
八月の終わりというのは、良かったと思います。九月に入ると何か違ってました。
来年の夏までで時間をかけて
練り直して
次やることになったら
もっと良くなると思います。
だから
是非 やりたい!
最後に
たった一日の一回限りの
公演に来て下さった方々
来たかったけど、どうしても来れなかった方々
入江雅人一人芝居を
心から楽しみにしてくれてる方々
己の全てをかけて
1本でも多く
面白い作品を創り続けます!
本当にありがとうございました!
入江雅人